木造住宅の湿気調節
木材は吸放湿性に富んだ材料である。つまり木材には、空気が乾燥すると水分を放出し、相対湿度が高くなると湿気を吸うという性質がある。木材がどれくらい吸放湿するかを概算してみると、その量は平均的な木造住宅で年間ドラム缶2本、柱1本当たり牛乳びんで3本にもなる。すると、木材は調湿特性のきわめて優れた材料ということになる。このように木造の住宅は吸放湿性に富んでいる。がしかし、気を付けておきたい事もある。それは床下の湿気だ。床下の湿気は地盤が関係してくるらしく、いくら木材が吸放湿性に富んでいると言ってもカビが生えてきてしまうケースは少なくないようだ。床下の湿気が気になる場合には住宅の床下だけリフォームを行うのも良いだろう。また、木造住宅住宅内の相対湿度の変動の原因には温度に基づく場合のほかに、台所における炊事作業時に発生する蒸気、浴室のドアの開閉によって 流入する蒸気、冷房や換気扇による蒸気の流出など、蒸気負荷と称せられるものもある。しかし後者の原因は換気扇を回したり、窓を開閉したりすることによって、ある程度まで対応することができるので前者を基本的なものとみなしたほうがよい。ここではそのような考え方に立脚しているので、調湿特性という用語は相対湿度の変動の原因が温度に依存する場合に限定することにする。