シャープペンシル
筆者などは、小学生の頃、シャープペンシルを使うことが校則で禁じられていたことを覚えています。しかし、高学年になり、いつのまにかそうしやルールは無くなっていました。シャープペンシルというものがどんどん普及してく様を実感していたような気がします。
鉛筆とシャープペンシルはともに、黒鉛という鉱物を主成分とする芯を紙面に当て、線を引きます。
鉛筆とシャープペンシルの違いは、この芯の運用にあります。鉛筆は芯の補充ができないので、どんどん削れていき、短くなり、最後は廃棄します。
シャープペンシルは芯を本体から独立した、より細い芯を補充可能な形で用います。鉛筆は削り方で芯の太さや形状が変わるという点が、不安定さを導いてしまう傾向にあります。もちろん、そうした違いをニュアンスとして表現できるという利点でもあります。シャープペンシルでは芯の形状は変わりませんので、常に一定の太さ、濃さの線を引くことができました。この違いは今でもそれぞれ用途ごとに利点であったり欠点であったりと、補い合うような関係にあります。スケッチやクロッキーーなどで絵柄をニュアンスを出しながら描きたい時は鉛筆が適していますし、正確に文字情報を記したいときは安定性の高いシャープペンシルが重宝されます。建築などの製図においては、線の太さを用いたニュアンスの表現は不要ですので、シャープペンシルを用いた方が適していると言えます。製図用シャープペンシルというジャンルがあります。
芯を繰り出すメカニズムにおける研究も進んでおり、最も一般的なノック式(後部のノックボタンを押すと芯が繰り出てくる)以外にも様々な手法が採用されています。これはこんな方法があるんだ、と感心するものが多いので、文房具店などにいったときは是非、シャープペンシルコーナーに足を運び、特殊な芯の繰り出し方を採用している製品を探して見てください。かなり普及しているものでは、シャープペンシル本体を振ることで芯が繰り出てくるもの、「振り子式」のシャープペンシルです。これは、文字や線を描いているときと同じ指の位置のまま手を振るだけでいいので、持ち替えて親指をノックボタンまで持っていくという動作が省略できるという点で、優れていると言えます。