バラエティに富んでいく「ふせん」の世界
「ふせん」は、本来、目印を付けるために用いるものですが、今やその使用目的は多岐にわたっているようです。ふせんの自由に貼りかえられるという特徴を利用すれば、使途はどんどん広がってきます。常に手元においておき、アイデアや大事な情報を書き留めてストックしておく目的で使う人も増えてきているようです。同じような使い方のメモ帳は、一度切り離してしまうと無くしやすく、あくまでも一時的に書き留めて、すぐに捨てるということが前提にあります。その点で、ふせんは貼ったり剥がしたり自由にできることから、保存するという目的を持って使用しても、十分に機能するものとなります。アイデアが浮かぶ人と浮かばない人の違いは、その場で思い浮かんだものをメモしているかどうかの違いと言われていますが、そのアイデアを逃さないために、携帯に便利なふせんは、大いに役立つアイテムともなります。学生にとっても、ノートに貼り付けていけば、自由自在にレイアウトを変更できることから、勉強や暗記するための必需品ともなっているようです。
ただし、ふせんを使うときに致命的となるのは、勝手に剥がれて無くなってしまうことです。一般的なものでは、のりの部分が2割程度のようですが、この弱点を補うべく、のり面が広く、はがれにくいふせんも登場しています。
さらにデザインや形、大きさも豊富なバリエーションがあります。従来の一枚一枚剥がしていくタイプの他、テープタイプ、何度倒れても起き上がる立てられるタイプ、シールタイプ、吹き出しタイプなどさまざまです。またデザインの面でも、シンプルな無地のものから動物の絵柄入り、原稿用紙柄、伝言メモ柄などさまざまです。プレゼントに一筆添えるときに、文字だけでは物足りないときに利用するのにも適した柄がたくさんあるようです。
「ふせん」は、メーカー側が意図していなかった使用方法を、使用者側、とくに学生の斬新な発想で、用途がどんどん広がっていった典型的な例の文具といえるかもしれません。