ボールペン
おそらくボールペンが、私たちの日常生活の中で、最も馴染み深い筆記具です。
ボールペンはインクを紙に転写することで文字や線を記すものです。先端に小さな球体を設置し、その回転運動でインクを滑らせ、紙面に筆跡を残します。この球体の利用を象徴する意味で、「ボール」ペンです。
ボールペンは19世紀にアイデア自体はありました。しかし、しれを実現する技術が追いついていませんでした。先端の極小の球体を製造する技術と、液漏れを起こさないために必要とされる高粘度(粘り気が強い)なインクの開発が必要でした。
現在のボールペンの原型であるような製品化されたボールペンは19世紀半ばに生まれました。高い技術を用いて開発されたボールペンは、使用における快適さと機能性の高さでイギリス空軍に採用されました。日本でもそう時を経たずにボールペンが導入されます。日本の技術力はボールペンの革新においても強い力を発揮しました。水性ボールペンは日本が初めて製品化しました。かなり一般的になってきているジェル状インクも日本の開発によるものです。
ボールペンは万年筆同様、インクを用いますので、鉛筆やシャープペンシルと違って修正が効かないものでした。鉛筆は細かな黒鉛という好物の粒が紙面に付着しますが、ボールペンのインクは液体が紙面で浸透・凝固します。このために、一度書かれたインクの線は剥がしたりして物理的に消去できないというのが常識でした。
しかし最近では、消しゴムのようなもので線をこすり、その際の摩擦熱で線を不可視化する技術を用いた、「消せるボールペン」が非常に画期的な新製品として、記憶に新しいところです。
消せるボールペンのように、鉛筆とペン類の折衷のような存在が出てくると、シチュエーションごとの適切な筆記具選びは難易度が増します。こうしたところを踏まえて、最適なアイテムを使用するようにしてくださいね。