筆記具の歴史
筆記具の歴史を概観して見ましょう。
何千年も前に、古代メソポタミア文明で、石版に尖った物で文字を書いたと思われる遺跡が見つかっています。
西洋では5世紀頃に羽ペン、中国では紀元前にすでに筆が発明され、インクや墨汁をうまく操作して文字や線を描くというのが主流のスタイルになります。
鉛筆もまた、インクや墨汁といった液体ではないだけで、筆記具の先端の物質を土台に転写するという意味で、この流れに含まれるでしょう。
現在主流になっている、ボールペン、シャープペンシルは筆記具の歴史の中ではかなり後発のものです。その進化の歴史は200年にも満たないものですが、近代から現代にかけての爆発的な技術力の発展にともなって、数え切れないほどの多様性を生み出してきました。一度文字や線を記すメカニズムの主流の方法が定まると、その中でのマイナーな更新や改善、素材のより適切な選択や使用において研究と開発が進められ、目覚ましい進化が日々創造されています。最近の画期的な筆記具の革新で言えば、「消せるボールペン」の誕生は驚くべき事件でした。
万年筆は、金属のペン先に溝を掘り、そこにインクを滾らせるというメカニズムとしては、18世紀の発明です。19世紀後半にインクをためておく方法も開発され、合わせて現在の万年筆の原型が発表されました。これは10年ほど経つと、日本にも入ってきます。当初はペン先は輸入し、ボディーや他の部分を国産していたようですが、徐々に研究が進み、すべてのパーツが日本製の製品も出てきます。
カートリッジ式の万年筆を作ったのは日本のメーカーとされていますが、具体的にどのメーカーなのか、というところは意見が分かれるようです。