筆記具とは
まず筆記具を定義してみましょう。
筆記具は文房具の中のカテゴリーになります。文房とは書斎を意味する言葉です。書斎で使用する用具が文房具となるでしょう。
筆記具は書斎で使われるもののうち、「書き物」をするときに使用される、文字や絵柄を描くのに使われる物です。
書斎で使われる、ということですが、昔でいう書斎、つまり書き物や読書、書類の整理などの作業を行う場所で使用される道具類という意味になっていると言えます。事務所でも作業部屋でも、もちろん居間の机で作業をしても、そうした用途の物品は文房具です。
なので、ペン類は、現場作業員が寸法をメモ帳に記す場合でも、当然、筆記具です。
最も馴染みの深い筆記具は、ボールペン、鉛筆、シャープペンシル、万年筆、マーカー、色鉛筆、蛍光ペンといったところでしょう。中でもボールペンとチャープペンシルが、おそらく最も使用頻度が高く、所有されている割合も高いと思われます。
さらに、より細かな用途に対応する筆記具が存在しています。製図用のペン、フェルトペンなど多数あります。
筆記具という言葉を見てみると、筆記のための道具、というふうに分解可能です。筆記は、「筆記試験」という言葉で知られるように、「手書きすること」です。手で書く物という英語はmanuscriptです。日本語では、古くは筆記行為のためにはもっぱら筆が使われていたので、その名残でほとんど毛筆など使われない現代も、手書きして記すことを「筆記」と呼び続けています。
古い時代にはもちろん、筆記のために原始的な道具が使われていました。粘土板に木の枝で文字を記しても筆記ですし、それらは筆記具です。いわゆるペン類の普及は20世紀の出来事ですので、それ以前に無数の筆記具が存在していたわけです。