古本売買の基本
訪問買取や出張買取ではいろいろな家を伺うわけですが、ただ古本を回収して終わりというわけではありません。 「うちに置いといても仕方ないから、言い値で持ってってくれ」という方はともかく、売れるなら少しでも高く買い取ってもらいたいのが人情。 古本の価値が分からない人であればこちらの好きな値で買い取ることができるものの、ある程度知識を持ってる方はそう簡単にいきません。 もちろん本当に詳しい人ならすでにどこかで高く買い取ってもらっている場合がほとんどですが、訪問されて初めて倉庫を見に行ったりするようなお客さんなら見込みはあります。 特にただ倉庫に無造作に詰めておいたとかいう場合はチャンスと思っていいかもしれません。 持っている古本の価値が分からないわけですから、こちらの言い値で安く仕入れることが可能です。 やっかいなのは手持ちすべての古本の価値を事細かに設定しようとするお客さん。 数冊ならともかく数十冊あった場合、値を決めるだけでも大変です。 それどころか「この本は○○ではこれくらいの値が付くそうだけど、おたくもそれくらいで買い取ってくれる?」と、 他のお店の事例を挙げて交渉してくるケースも少なくありません。 こうなると時間も労力もかかる割に、高値で買い取らされるハメになるわけで、とてもコスパが良いとは言えないですよね。 そういう場合は早めに見切りをつけて「これ以上は出せませんので、もしどうしてもというのでしたら他を当たってください」と言ってしまうのが賢い方法です。 ただでさえ経営の厳しい古本屋が生き残っていくには、妥協は禁物と言えます。この辺りの感覚にシビアになることが、継続的に安く古本を仕入れる秘訣なのです。