押し付けないことが一番のアピール
「売り込み」という言葉の強さから、自身の想いや苦労といったものを延々と書く人も少なくないようです。しかし、はっきり言ってそのようなエピソードは、自費出版を考えている全ての人が持っているものではないでしょうか。それなのに、アピールしたいというエゴから、自分がその原稿を書くために苦労した事や年数など、別に必要ではない情報をくどくど綴ると言った送り状をよく目にします。しかしながら、先にも述べた通り、自費出版を目指す人たちに苦労は必ずあるということは編集者は百も承知であり、本当に重要なのは、そう言ったサブストーリー的な部分を押し付けず、純粋に原稿を審査してもらいたいというお願いの気持ちなのではないでしょうか。プロの作家さんのあとがきなどに苦労話など書かれても何も面白くはないのではないでしょうか。むしろ、内容と関係なくそんなことを書かれていては、なんだか情けないような気持ちになるのではないでしょうか。そもそもそんな部分をアピールするくらいなら書かなければいいと思われるのがオチでしょう。誰でも苦労していることは当たり前なのです。変にインパクトをつけようとして「◯十年かけて書きました」というようなアピールは逆効果ではないでしょうか。シンプルに要点をまとめ、シンプルに目を通すことのできる環境を整えられることが、一番のアピールに繋がると言えるのではないでしょうか。企画の内容は企画書で、自身の主張は原稿で十分になされているということが重要でしょう。その上で、それを手にとってくれた感謝と、読んでくださいというお願いの気持ちだけをシンプルに表現されている方が気持ち良いものになるでしょう。自分の気持ちを押し付けない売り込み方が望ましいのではないでしょうか。