複眼という考え方
飲食店のメニューを考える時には、オーナーとしての視点と、お客様の視点、それぞれに立って考えなくてはなりません。この二つの目を持つことを「複眼」と呼んでおり、非常に大切な考え方とされています。例えば「素晴らしい料理を作ったにも関わらず、注文があまり入らない」という料理があったとします。この素晴らしい料理というのはオーナーの視点です。しかし実際に注文が入らないというのは、お客様の視点で見た時に何かが欠けている可能性があるのです。お年寄りが多い街で若者向けのファストフードは客足が伸びませんし、高級店を作っても学生が多い街では需要が低いと言えるでしょう。ニーズを正しく把握しているのも、お客様の視点に立ってこそだと言えます。
特に飲食店ではメニューブックが注文数を大きく分けるとも言われています。例えば素晴らしい料理があったにも関わらず、メニューブックに小さく記載されているのでは注文がしにくくなってしまいます。他にも、メニュー名で中身が分かりにくい場合や、注文方法が複雑で感覚的に理解しにくいという場合にも敬遠されてしまいます。他にも、「料理を美味しそうに見せられていない」という場合があります。写真がぼやけている場合や、色合いが悪い場合などです。例えばステーキであれば、肉の焼ける音や香り、柔らかさなどを伝えれば注文がしやすくなります。美味しさは、五感に訴えることが効果的です。メニュー名やキャッチコピーなどを工夫して、「美味しそうだから注文したい」と思わせることが重要です。
これらはオーナーの立場だけでなく、お客様の立場になってみれば気付きやすいと言えます。一度考え方をリセットして、メニューブックを一新してみても良いかもしれません。