手紙の書き方
先ず書き出す際の言葉について述べますが、頭語や起筆と呼びます。一般的なのは「拝啓」、「拝復」等でしょう。畏まった文では「謹啓」が用いられます。最近の傾向としては、親しい関係の相手には、こうした慣用句が使われなくなっています。
次に時候の挨拶に触れましょう。季節によって挨拶文は変わります。例えば「炎暑の候・・」という具合に。都市部では実感が湧かないこともあるので、決まり文句を多用しないことも大切です。お見舞いや急用の手紙では省略されることも少なくありません。
前文で送り相手の安否を尋ねれば、丁寧な印象を与えます。自分や家族の近況を述べる際は後回しにしましょう。返事が遅くなったり、久しく便りを寄せなかったりした場合は、前文で詫びておきましょう。
主文の書き起こしとしては、「さて」、「ときに」等を用います。主文のスタイルは自由ですが、用件が的確に伝わるように配慮する必要があります。末文にはこれまた挨拶文を用います。「まずは用件のみ」等が無難でしょう。結語は頭語に照応させなければなりません。例えば「拝啓」には「敬具」、「前略」には「草々」といった具合です。
手紙を出す時のマナーとしては、親しい間柄であっても、それなりの節度を守ることが重要です。また用途に応じた書式を身に付けなけれなりません。その他基本的な心得ですが、返信する場合は時機を違えないこと、敬語や誤字には気を付けること、便箋の模様にも気を配ることを忘れてはいけません。また気にかけたこともない人もいるでしょうが、封書とはがきも使い分けましょう。はがきは身内や友人との間で交わされるものです。第三者に見られても差し支えない内容であることが基本です。他方、手紙は封書の場合、目上の人に送ったり、重みのある内容だったりすることが多いでしょう。