自分以外の人のための自費出版
自費出版という言葉の通り、「自分自身で」経費を賄って出版することという意味があります。
しかし何も、自分の作品を書籍化する、というパターンだけがあるのではありません。
作詞と依頼者・出版者が異なるケースとして多いのは、身内、家族の作品を出版するというものです。
祖父が趣味で詠んだ、50年分の短歌。祖母の何百枚とある水彩画。子供達が書いた元気なクレヨン画のコレクション。
こうしたものは、身内・家族にとっては、何物にも変えがたい宝物ですよね。
こうした身内の作品を、商業出版に載せるというのはそぐわない気がします。自費出版という選択肢がぴったりなのではないでしょうか。
まだ幼かったり、高齢なので自分で色々と手続きをすることができない、または負担になるという理由で代行してあげるという以外にも、誕生日や進学、還暦などのお祝いに秘密で本を作り、プレゼントするのも素敵です。
亡くなってしまった人が生前に書き溜めた文章を、一周忌に合わせて出版し、備えるというのも、とても良い供養になるのではないでしょうか。
自分も含まれることになりますが、俳句愛好会や詩のグループの作品集を出版するのも良いですね。アマチュア、趣味として作った作品で、少し拙いところがあっても、自分たちのグループの活動の産物ですから、どんな本より貴重だと言えます。
企業の長い歩みや業績の記録を文章化して、書籍にすることは、社内には活気付けや帰属意識の高揚、社外に対しては業績アピールになります。
それだけでなく、単純に、資料価値も高くなるでしょう。
100年以上ネジを専門に作ってきた工場の記録、なんていう本があったら、手にとって見たくなりませんか?