出版と流通だけではない、自費出版社の仕事
自費出版社というと、素人には難しい・不可能な出版と書店への流通を代行してくれる存在というイメージが強いですよね。
出版したいと思っている内容、つまり文章やレイアウトはすでに終わっている、つまり作品としては完結しているものを「持ち込んで」、以降の書店に並ぶまでを任せる、そんなイメージだと思います。
これらは自費出版社にとっての仕事のうち、非常に大事なものではあります。経験・知識・実績のない個人では到底やりきることができないであろう部分です。
しかし自費出版社の仕事は、出版と流通に限られません。
本を出版する、そして売るというプロセスの中には、無数の段階があり、その多くは流通などと同様、一個人にはやりこなすことのできないものばかりです。
校正というプロセスは、出版業界において、非常に重要な役割を担っています。校正は、誤字脱字、漢字変換ミス、スペルミスをチェックすることです。
これは純粋に表記に関わる正誤の判断であり、内容には踏み込みません。例えば小説をチェックするとき、「右にあった建物が左になっている」というような内容の整合性を確認するのは、「校閲」という別の作業です。
作者が気をつけて書く、しっかりと見直しをする、そうしたプロセスを経ても、誤字脱字は発生します。校正は出版において不可欠な存在であり、校正を専門に取り扱う会社というものも、世に多く存在しています。
自費出版社のうち、とにかく出版を遂行して料金を得たいという理念で動いている企業は、自社の出版物が誤字脱字だらけであろうと、興味がありません。しかし、誠実な会社ならば、自社の名を冠して世にでる出版物の質を保持したいものですし、何より依頼者のために、最善のものを提供したいと考えるはずです。
そうした出版社の場合、校正業務をも担当してくれることが多いようです。もちろん、校正を代行しないことでコストダウンして、著者の負担を軽減することを目指す会社もあります。
ともかく、「この出版社がカバーしてくれるのはどこからどこまでなのか」ということを、確認しましょう。